ギルド(BUMP OF CHICKEN)
こんにちわ。
今回はBUMP OF CHICKENの「ギルド」についてお話しします。
「ギルド」という言葉の意味を調べてみると、「同業者組合」となっています。
つまり同じ仕事を生業としている人間同士の団体のことですかね。
この曲もまたファンの間では人気のある楽曲です。
美しくも残酷な世界
この曲はメロディがとても美しく、アレンジもとても洗練された楽曲です。
しかし、歌詞はとても鋭く尖っている印象を受けます。
聴く人によっては考え込んでしまうような、非常に心に踏み込んでくるような歌詞になっています。
一種の諦めというか、、、全てを受け入れて、それでも生きていかなければいけないんだよ?
それを同情などのような感情は抜きで、ただただ淡々と事実だけを突きつけられている。そういう印象を受けました。
まさしく「美しくも残酷な世界」
そんな世界を表現している曲だと思います。
ただし、突きつけている対象は、自分自身です。
決してリスナーに対して全てをなすりつけるような感じではなく、あくまで「自己経験」を通した語り口調です。
なのでそれがさらに聴く人の心に染み渡ります。
音楽は受取手によって、印象は変わります。
この曲はまさに人によっては「敵」ともなりえるし、「味方」にもなりえるような、そんな人間味あふれる楽曲なのではないかと思います。
そんな生々しい作品だからこそ、ここまで心が揺さぶられるんだと思います。
日々生きるということ
あなたにとって日常生活とはどんなものでしょうか?
良いことも悪いこともあり、感情の起伏もあり。良いと思う日もあれば悪いと思う日もあるでしょう。
ただそれが自分が起こしたことか、誰か(何か)によって引き起こされたものかによって満足感や実感は全然違うと思います。
自分でどうにかしようとせず、ただ巻き起こったことに対してリアクションだけとって生きる。
それは「仕事」となんら変わりない、つまらない生活になり得ませんか。
僕はこの詩を通じて、改めてそんなことを考えました。
主人公はすでに「人間」という「仕事」をクビになっています。
つまり人間ではない。
「自分で考えて生きる」ことを放棄した人、それはもう人間をクビになったと言っても良いのではないでしょうか?
人生においての取捨選択は自分で行うものです。誰かに任せることはできません。
僕が常々思うのは、相談事などをすることは当然としてあると思いますが、最後に何を選ぶかは自分以外いないんです。
結果がどうであれ、決断は自分自身がしたもの、生きにくいと思っているこの世界もあなたが選んできた道なんだと、、、そんなことを考えてしまう歌詞です。
潔白な人なんていない
僕たちは常に何かを奪って生きています。
それは無意識的にでも何かを奪いながら生きています。
それによって誰かを責めることは出来ないし、逆に自分を責めることもないです。
結局のところ同じ穴のムジナ、潔白な人なんていません。
そして人によって左右されるような世界ではないです。
僕自身が判断し、愛し、何かを奪いながら(頂きながら)生きているのが、この世界です。
自分は醜いと思ってても他人はそう思っていないこともたくさんあります。
もしかしたら自分は悲劇の主人公を気取ってるのではないか。。。
そう思いました。
本当は恵まれているのに、かわいそうなふりをして、それを演じている。
そんなことを生物学的に、無意識にしているのかもしれない。
そう思わざるを得ませんでした。
誰かのせいにするのはとても簡単です。
自分のことを受け入れるのはそれはそれはとても大変なことです。
聴く人が聴いたらとても辛く聞こえる曲。
それは化けの皮が剥がされて、心が裸の状態にされてしまう。
そんな恐怖心すら抱かせるような、とてもとても美しく、そして残酷な作品だと思います。