望遠のマーチ(BUMP OF CHICKEN)
今回はBUMP OF CHICKENの「望遠のマーチ」について書きます。
こちらの曲、実は久しぶりに大きく揺さぶられた曲です。
もちろんずっとBUMP OF CHICKENのことは好きだったのですが、アルバム「ユグドラシル」以降は割と彼らの中で実験的な段階に入っていたのではないかと感じました。
サウンド的にも詩的にも大きな変換機にあった気がします。
そしてたどり着いた場所。
今回はそんな曲について話させて下さい。
大人にこそ聴いて欲しい曲
この曲は妖怪ウォッチのアプリゲームのCMソングになっていました。
故にどうしても「子供向け」というイメージがつきまといがちです。
ですが初めてフルで聴いた時に大人にこそ響く曲だなと思いました。
小学生の頃、毎日が待ち遠しくて、たくさん走って(あるいはゲームでもなんでも)友達と何も気にせず遊んでいた日々。
そんなことを思い出して、とても胸が苦しくなり、自然と涙が浮かんでしまう。
そう感じました。
冒頭に話したように、僕ら(聴き手)はもちろん、彼らの中でも年月を重ねる度に発信しているメッセージも視点や角度が変わってきています。
昔は若さ故の強さやいい意味での攻撃性、負けるかという踏ん張るような力強さが全面的に出ていたような気がします。
しかし最近の楽曲では、たくさんの悩みや辛いこと、悲しみや怒り、それらを乗り越えてたどり着いた大人の優しさを感じることが出来ます。
まさしく今の彼らにしか書けない曲だと思います。
昔から変わらず彼らは「今」という言葉を大切にしていた様に感じます。
それを体現するかの様に常に「今」に全力で向き合っています。
誰にでも辛いことや悲しいこと、不安なことなどあります。
でもそれと同時に嬉しいこと楽しいこともたくさんあります。
子供の頃は些細なことでもそう思えていたのが、大人になると様々なことを経験したが故に頻度は少なくなります。
ですがその分一つ一つの大きさは大きくなっていく気がします。
この曲はそんな「大人」になってしまった僕たちにこそ響き渡る曲だと思います。
軽快なリズムの泣ける曲
冒頭でもお話ししましたが、この曲を聴いた際に僕は自然と涙が流れていました。
しかし聴いていただくとお分かりの通り、とても軽快なリズムで走っていく曲です。
この感覚が僕は彼らの真骨頂だと思っています。
「sailing day」というBUMP OF CHICKENの曲があるのですが、
それについても僕は同じ感覚を抱きます。
BPMの速い曲でも泣けるんです。
正確には「泣きながらがむしゃらに叫びたい曲」そんな感じです(わかりますか・・?w)
あっけらかんとただ明るくなっているわけではなく、何度も夜を迎えてきた人が歌う言葉です。
そんな言葉だからこそ響く言葉なんだと思います。
そもそもですが個人的には「泣かせにかかった曲」は苦手です。
そうではなく本当に心からぽろっと溢れてきた様な、、、そんな曲が好きなんです。
なので無難な言葉ではなく、時には厳しい言葉になることもあるかもしれない。
それでもそれはきっと純然たるその人の言葉なので、自然と受け入れることが出来るのかもしれません。
頑張らなくても良いよ
与えられた居場所が苦しかったら
そんなの疑ったってかまわないんだ
この歌詞はたくさんの人に届いて欲しい歌詞です。
「頑張りすぎ」という言葉は最近の世間ではよく聞かれます。
人生において頑張るということは確かに必要なことです。そういうタイミングはたくさんやってきます。
でもいつしか「がんばれがんばれ」と言われ続けて、それがただの「我慢」になっていることも多いのではないかと思います。
実は自分もそのタイプでした。
「がんばれがんばれ」と言われ続け、「ああ、自分は頑張りが足りてないんだ」って思い、結果何もしたくなくなってしまいました。
度が過ぎるとそれは鬱という病気となって襲ってきます。
今自分の周りの環境が必ずしも正しいとは限りません。
もし辛いのであればその環境は疑ったって構わないんです。
変な固定概念は捨てて、ちゃんと自分の心に素直になってみると何かが変わるかもしれません。
自己中心的なそれは良くないことではあります。
しかし、自己を捨てすぎて自分を失ってしまうのだってとても辛いことです。
よっぽどのことでない限り辛いことを頑張り続けなくてはいけないことはないと思います。
この曲はこれからを担う子供達にも多く触れる楽曲であるが故に、
そんなメッセージ性を感じる様な、そんな楽曲です。